こんにちは、アサヒナです。
最近、ニュースを見るのが少ししんどいです。
物価高に苦しむ声。
節約特集。
見るたびに、この国はどうなっているのかと考えてしまう。
気になって、実際にデータを調べてみました。
そこで出てきた数字が、想像以上でした。
今日は、そんな話をしたいと思います。
調べてみたら、二つの日本が出てきました
まず、ひとつ目の数字です。
3社以上から借入をしている多重債務者が、147万人。
金融庁の調査によるものです。
2021年3月末は、114万人でした。
3年ほどで、約3割の増加。
日本信用情報機構のデータでは、直近でさらに151万人まで増えています。
12年ぶりの水準です。
背景は、物価高による生活コストの上昇だと指摘されています。
暮らしが回らず、複数の業者から借りている人が増えている。
そして、貸す側の業績です。
アコムの2026年3月期は、営業利益が1003億円で71.4%の増加。
純利益は796億円で、147.9%増でした。
ここまでが、ひとつ目の日本です。
もうひとつは、まったく逆の景色でした。
純金融資産1億円以上の富裕層と超富裕層が、165万世帯。
野村総合研究所の推計です。
2021年から、世帯数で11.3%増加。
資産の総額は28.8%増えて、合計469兆円。
同じ国の、同じ2年間の話です。
真ん中が、静かに消えていきます
ここからは、データではなく僕の見立てです。
かつての日本は、こういう構造でした。
お金持ちが2割。
中間層が6割。
そうではない人が2割。
「2対6対2」です。
真ん中が分厚い国だったから、その真ん中に向けて商品を作れば売れました。
普通の価格で、普通に良いものを出す。
それで成立していたんです。
でも今は、真ん中が薄い。
お金持ちが2割で、そうではない人が8割。
「2対8」に近づいている実感があります。
ここに、怖さがあります。
市場が消える時、看板が出るわけではありません。
売れなくなったな、と感じるだけです。
反応が鈍い。
問い合わせが減った。
決まらない。
自分の力が落ちたように思えてくる。
でも実際は、力の問題ではないことがあります。
立っている場所が、痩せてきているだけ。
そういうことが、起きています。
「もっと安くすれば」は、いちばん危ない反応です
売れない時、真っ先に浮かぶ手はこれです。
値段を下げること。
すぐできる。
反応も出やすい。
だから、つい手が伸びます。
でも、ここが分かれ道なんです。
「今回だけ、少し下げよう」
「実績ができるまでは仕方ない」
「相場より高いと思われたくない」
僕自身、そうやって自分を納得させたことがあります。
言い訳は、いくらでも作れるんです。
ただ、値下げには続きがあります。
安く受けたぶん、件数が必要になる。
件数が増えれば、対応が増える。
対応が増えれば、考える時間がなくなる。
考える時間がなくなると、次の一手が打てなくなります。
そして翌年、また同じことをやっている。
これが、いちばん怖い。
下げた価格は、次の交渉の基準になります。
戻すのは、下げる時の何倍も大変です。
誰と戦っているのか、冷静に考えてみてください
8割の市場で安さを打ち出すなら、相手は同業の個人ではありません。
大量に仕入れられる会社。
広告費を投げ続けられる会社。
一時的な赤字を耐えられる会社。
そこに、ひとりで殴り込むことになります。
しかも相手は、こちらより疲れません。
担当者が交代しながら走り続けられるからです。
駅伝を思い浮かべてみてください。
向こうは、区間ごとに新しい走者が出てきます。
一区を走り終えたら、次の人に襷を渡す。
疲れた人は、そこで休めます。
こちらは、同じコースをひとりで走り切ることになります。
スタートからゴールまで、交代要員はいません。
給水も、自分で用意する。
ペースも、自分で決める。
途中で足を痛めても、代わりに走ってくれる人はいない。
同じレースに出ているように見えて、条件がまったく違うんです。
だから、序盤で全力を出すと最後まで持ちません。
安さで勝負するというのは、序盤から全力疾走するようなものです。
一時的には、前に出られます。
売上も、動いているように見える。
でも、そのペースを維持できるのは、交代要員がいる側だけです。
向こうは、走者が倒れても次が出てきます。
僕たちは、倒れたらそこで終わりです。
事業ごと、止まります。
これは根性の話ではありません。
条件の差の話です。
勝てない条件のまま頑張り続けることを、努力とは呼びません。
走り出す前に、どのレースに出るかを決める。
そこが、いちばん大事なところです。
それでも、こちら側には勝ち筋があります
ここからが、希望のある話です。
2割の市場では、判断基準がまったく変わります。
資産を持っている人は、価格をあまり見ません。
見ているのは、費用対効果です。
「これを手に入れることで、自分の未来はどう良くなるのか」
支出ではなく、投資として考えている。
だから、提示した価値が期待を超えれば即決します。
これだけの成果が出るなら、もっと高くてもいい。
そう判断する人たちです。
変えるのは、提案書の主語です
これを、もう少し具体的にします。
自分の提案書を1枚めくってみると、すぐにわかります。
そこに書かれているのは、たいていこちらの話です。
作業の範囲。
対応の回数。
納品までの期間。
含まれるサポートの内容。
どれも必要な情報ではあります。
ただ、これは全部こちら側の都合です。
読んだ相手の頭には、作業量しか浮かびません。
作業量しか浮かばなければ、比べる先は他社の見積もりになります。
そこから先は、安い方が勝ちます。
一方、価値で判断してもらう提案書には、相手の話が書かれています。
今どういう状態で、それがどこまで動くのか。
3か月後に、何が変わっているのか。
1年後には、どこまで積み上がるのか。
同じ仕事の説明でも、主語が入れ替わっています。
こちらが何をするか、ではありません。
相手がどうなるか、です。
書き直すのは、そんなに大変ではありません。
作業内容を消す必要もない。
その一行ごとに、それで相手が何を得るのかを足していくだけです。
週1回のレポート提出、で終わらせない。
そのレポートで、次の打ち手がどう決まるのかまで書く。
やることは同じでも、伝わる価値が変わります。
主語をずらすだけで、読まれ方が変わります。
もうひとつ、大事なことがあります。
ここは、個人に不利な場所ではありません。
決裁のプロセスがない。
担当が代わらない。
最初に話した人間が、最後まで責任を持つ。
大きな会社が構造的に持てないものを、僕たちは最初から持っています。
規模で負けている僕たちが、そこだけは勝てる。
だから、戦う場所を移すんです。
場所を変えるのは、逃げではありません
戦う相手を変えることに、抵抗を感じる人がいます。
今のお客さんを見捨てるようで、後ろめたい。
その気持ちは、僕にもよくわかります。
でも、これは逃げではありません。
長く続けるための、まっとうな判断です。
疲れ切って辞めてしまったら、誰にも価値を届けられなくなります。
続けられる場所に立つこと。
それも、仕事のうちです。
いきなり全部を変える必要もありません。
まずは、次の提案からでいい。
安さではない理由を、ひとつ書き足す。
その人の未来がどう変わるのかを、具体的に書く。
そこから始めれば十分です。
僕自身も、まだ途中です。
気を抜くと、つい安心できる価格に手が伸びます。
だから、自分に言い聞かせながらやっています。
一緒に、勝てる場所へ移っていきましょう。
では、今日はこの辺で。
ありがとうございました。
