こんにちは、アサヒナです。
直近の打ち合わせを、思い出してみてください。
あなたが説明を終えたあと、相手は何と言ったか。
おそらく「分かりました」だと思います。
あるいは「大丈夫です」「お任せします」。
うなずきながら、そう言ってくれたはずです。
その返事を、僕は長いあいだ信じていました。
今日は、あの返事の正体について書きます。
あの「分かりました」は、理解の合図ではありません
結論から言います。
クライアントの「分かりました」は、理解の合図ではありません。
会話を止めないための、相づちです。
厳しい言い方に聞こえるかもしれません。
でも、相手を責めているわけではないんです。
人は、分からないと言えない生き物です。
特に、お金を払っている側は言えません。
「こんなことを聞いたら、勉強不足だと思われる」
「さっき説明されたばかりだし」
そう考えて、飲み込む。
そして後日、こうなります。
「え、そうだったんですか」
「そんなふうには思っていませんでした」
この一言は、何度聞いてもきついです。
作り直しの時間も、目減りした信頼も、全部こちらに返ってきます。
伝わらない原因は、説明の上手さではありません
ここで、よくある誤解を正させてください。
伝わらないのは、説明が下手だからだと思われがちです。
だから、もっと丁寧に話す。
言葉を足して、例えを増やす。
僕も、ずっとそうしていました。
でも、量の問題ではないんです。
言葉は、耳に入った瞬間から消えていきます。
60分話しても、相手の頭に残るのは断片だけ。
しかも僕たちは、毎日使っている言葉ほど説明を省きます。
ファネル、ステップ配信、サンクスページ、クロージング。
体に入りすぎて、専門用語だという感覚すらなくなっている。
でも相手には、初めて聞く外国語です。
外国語をいくら丁寧に重ねても、絵にはなりません。
これは、支援する側だけの話ではありません。
自分の商品をお客様に説明するときも、同じことが起きます。
立場が変わらないと、見えない世界があるんです。
必要なのは、言葉ではなく絵そのものでした。
だから僕は、打ち合わせで絵を描きます
僕が毎日のように使っているツールがあります。
「Miro」です。
オンラインホワイトボードと呼ばれるサービスです。
画面の中に、どこまでも広がる白いボードがある。
そこに図形や付箋、メモを自由に置いていけます。
Zoomで画面を共有して、クライアントと一緒に書き込む。
なぜMiroなのか。
打ち合わせに必要な機能が、ひとつの場所に全部そろっているからです。
図も、文章も、タスクも、同じボードの上に置ける。
紙のホワイトボードと違うのは、その場で動かせることです。
「この順番、逆じゃないですか」
そう言われたら、矢印を引き直せばいい。
そして、消えずに残ります。
これを使い始めてから、認識のズレによるトラブルがほぼゼロになりました。
特別な使い方はしていません。
頭の中を、ボードに移しているだけです。
描くのは、導線とシナリオとタスクの3つです
具体的に、何を描いているのか。
僕は、3つに分けています。
まず、お客様が動く道のりを描く
最初に描くのは、ファネルの導線です。
どこからお客様が入ってくるのか。
途中で何を見て、最後にどこへ着地するのか。
四角と矢印を並べながら、こう話します。
「ここから入って、ここを通って、ここに到達します」
言葉だけで説明するより、圧倒的に伝わります。
「なるほど、こういう流れか」
その一言が出た瞬間、同じ絵を見ている状態になります。
ここまで来ると、質問の質も変わります。
「この間に、電話は挟まないんですか」
自分の事業として考え始めた証拠です。
次に、各ステップの文章まで書き出す
ただ、導線だけではまだ半分です。
流れが分かっても、中で何を伝えるかは見えていません。
そこで使うのが、ノート機能です。
Googleドキュメントのような書き込みができます。
各ステップで送る文章を、その場で書き出していく。
「1通目の件名は、この切り口でいきましょう」
「本文は、冒頭で問題提起、中盤で共感、最後に申し込みへの案内です」
「2通目はこの件名で、ここで信頼を積み上げます」
「3通目でセールスをかけます」
件名は何か。
本文の構成はどうなっているか。
どんな文言を入れるか。
全部、目の前で書きながら決めていきます。
「1通目と2通目で信頼を作って、3通目で売るんですよね」
そう返ってきたら、伝わった証拠です。
ここを飛ばすと、あとで必ず戻ってきます。
「思っていた文章と違う」という指摘です。
最後に、やることと日付を置く
シナリオが決まったら、タスクです。
このページを作る。
この文章を書く。
この設定をする。
やることを付箋のように並べて、順番と期限まで置いていきます。
「まずこれをやって、次にこれ。この日までに完了させます」
抜けている作業も、この段階で見つかります。
「決済の設定は、誰がやるんですか」
そういう質問が、その場で出るからです。
打ち合わせが終わった時点で、ボードに全部残っています。
議事録を後から送る手間も、消えました。
見えないクライアントは、動けません
ここからが、本題です。
視覚化の価値は、トラブル防止ではありません。
クライアントが動けるようになることです。
マーケターの頭の中には、明確な絵があります。
今これをやっている理由。
それがどう売上につながるか。
全部、見えている。
でも、クライアントには見えていません。
見えていないから、イメージが湧かない。
イメージが湧かないから、行動に移せない。
行動に移せないから、売上につながらない。
クライアントは、サボっているわけではありません。
絵が浮かばないまま、動けずにいるだけです。
施策が間違っていて失敗するのではないんです。
理解されないまま止まって、失敗する。
僕が見てきた失敗の多くは、こちらでした。
見せることは、売上をつくる仕事です
だから、頭の中を外に出す。
「今やっているのは、こういう意味があります」
「これがこうやって、売上につながります」
図で示されると、クライアントはイメージできます。
イメージできると、動ける。
動けると、数字が変わる。
数字が変わると、契約は続きます。
コンサル契約が終わる理由は、たいてい成果不足です。
でもその成果は、クライアントが動かないと出ません。
動いてもらうところまでが、こちらの仕事なんです。
提案が通らないときも、同じ理由が多い。
内容が悪いのではなく、想像できていないだけです。
見せることは、親切ではありません。
売上をつくる仕事の一部です。
「録画しているから大丈夫」ではないんです
こう思った人もいると思います。
「議事録を送っている」
「打ち合わせは録画している」
「ツールをこれ以上増やしたくない」
「そもそも、絵を描くのが苦手だ」
気持ちは、よく分かります。
僕も録画は必ず取ります。
ただ、議事録も録画も、後から確認するための道具です。
「言った言わない」の証明にはなります。
その場の理解は、作ってくれません。
そもそも、送った議事録を読み返す人はほとんどいない。
必要なのは、終わった瞬間に頭の中が揃っていることです。
ツールの数も、増えるとは限りません。
図もシナリオもタスク表も、1枚のボードに集まります。
絵心も要りません。
僕が描いているのも、四角と矢印と付箋だけです。
次の1回だけ、画面を共有してみてください
Miroには無料プランがあります。
最初の数回は、話しながら描くのが難しいと思います。
僕も、手が止まって沈黙した日がありました。
それでも、慣れます。
描く手が動いている間は、相手もボードを見てくれています。
次の打ち合わせで、1枚だけ描いてみてください。
相手は分かっていない。
その前提に立つだけで、打ち合わせの質は変わります。
そしていつか、「分かりました」を本当の意味で信じられるようになります。
では、今日はこの辺で。
ありがとうございました。
