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オンライン会議でジャケットを着る理由。服装は対面より画面で効く

オンライン会議でジャケットを着る理由。服装は対面より画面で効く

こんにちは、アサヒナです。

たまに、不思議そうに聞かれることがあります。

「アサヒナさん、自宅からですよね」

「どうして、いつもジャケットなんですか」

そうなんです。

僕は自宅の一室から、オンラインの打ち合わせに入っています。

そして、真夏でもジャケットを着ています。

外の気温が35度を超えていても、着ます。

冷房の設定を少し下げて、開始5分前に袖を通す。

窓の向こうでは、蝉が鳴いている。

その姿だけ切り取れば、たしかに滑稽かもしれません。

それでも、この習慣をやめたことは一度もありません。

今日は、その理由を正直にお話しします。

目次

結論。対面よりも、オンラインのほうが服装は効きます

先に、結論を言います。

服装が効くのは、対面よりもオンラインです。

だから僕は、家から一歩も出ない日ほどジャケットを着ます。

逆のように聞こえるかもしれません。

在宅なんだから、ラフでいいだろう。

わざわざ着替える必要も、ないだろう。

そう考える人のほうが、たぶん多いと思います。

僕も昔は、そう思っていました。

でも、画面越しだからこそ、映るものの比重が上がるんです。

まずは、対面の打ち合わせから考えてみてください。

対面の打ち合わせには、情報がいくらでもあります

相手と直接会うとき、伝わっているのは服装だけではありません。

部屋に入ってくるときの、歩き方。

名刺を差し出す手の動き。

椅子に座るまでの、間の取り方。

声の距離感。

沈黙のときの表情。

その場に流れている空気そのもの。

こちらが意識していないものまで、相手は受け取っています。

情報量が、圧倒的に多いんです。

だから、多少シャツがくたびれていても、別の何かで回収できる。

話し始めた瞬間の熱量で、挽回できることもあります。

対面には、取り返すチャンスがいくつも転がっているんです。

オンラインに残るのは、四角い枠と音だけです

オンラインは、そうはいきません。

相手に届くのは、画面に映る上半身と、スピーカーから出る音。

ほぼ、これだけです。

歩き方も、場の空気も、そこにはありません。

帰り際の立ち話も、当然ありません。

判断の材料が、極端に絞られている。

そして、材料が少なくなるほど、一つひとつの比重は重くなります。

対面なら全体の一部でしかなかった服装が、オンラインでは主役になる。

同じ服を着ていても、意味が変わってしまうんです。

在宅だからラフでいい、というのは逆だと思っています。

画面越しだからこそ、映るものを整える必要がある。

最初の数秒でできた枠は、あとから壊せません

もうひとつ、やっかいな事情があります。

心理学に、初頭効果という言葉があります。

最初に受け取った情報が記憶に残り、その後の判断を左右する現象です。

1946年に、ソロモン・アッシュという心理学者が実験をしています。

ある人物を説明する形容詞を、順番だけ変えて2つのグループに見せました。

片方は「知的」から始まり、最後が「嫉妬深い」。

もう片方は、その並びを逆にしただけ。

言葉の中身は、どちらもまったく同じです。

それでも、返ってきた人物像はまるで違いました。

先に「知的」と読んだ人は、有能な人だと評価した。

先に「嫉妬深い」と読んだ人は、扱いにくい人だと評価した。

順番が入れ替わっただけで、評価が反転したんです。

「第一印象は3秒で決まる」

よく聞く言い方ですよね。

あれも、この現象のわかりやすい一例だと言われています。

人は、すべての材料を並べてから判断していません。

最初に枠を作って、あとから来る情報をその枠に放り込んでいく。

だから、最初が効きます。

そして、一度できた枠は、簡単には壊れない。

第一印象だけは、上書き保存ができないんです。

部屋着で入るという選択には、見えないコストがあります

ここで、実際に見てきた話をします。

よれきったシャツで、画面に出てくる人がいます。

首元の伸びたTシャツのまま、話し始める人がいます。

寝癖が残ったまま入ってくる人も、珍しくありません。

服装以外でも、あります。

打ち合わせがあるとわかっているのに、カフェから参加する。

後ろの話し声や食器の音が、そのまま流れ込んできます。

本人に、悪気はないはずです。

在宅なんだから。

家で仕事をしているんだから。

その理屈は、僕にもよくわかります。

ただ、画面のこちら側に届くのは、理屈ではありません。

「この打ち合わせを、その程度に思っているのかもしれない」

そう受け取られる余地が、生まれてしまう。

提案の中身が、どれだけよくても。

準備に何時間かけていても。

本題に入る前に、評価の枠が決まってしまうんです。

さらに厄介なのは、誰も教えてくれないことです。

「シャツがよれてますよ」

打ち合わせの最中に、そんなことを言う人はいません。

わざわざ空気を悪くする理由が、相手にはないからです。

だから、本人は何年も気づかないまま過ごします。

何も言われないことと、何も思われていないことは、違います。

ジャケットを選ぶ理由は、間違いがないからです

では、なぜジャケットなのか。

オシャレだから、ではありません。

センスを見せたいわけでも、ありません。

無難だからです。

ジャケットを着ていて、マイナスになる場面はほとんどない。

相手が経営者でも、現場の担当者でも、初対面でも。

どの相手にも、大きく外しません。

つまり、間違いのない選択なんです。

僕は、これを加点を取りに行く道具だとは思っていません。

減点を発生させないための道具だと思っています。

Tシャツで入ったときの失点は、自分では見えない。

相手の頭の中で、静かに引かれていくだけです。

でも、ジャケットを着ていれば、その引き算はそもそも起きません。

おまけに、服を選ぶ時間も消えます。

今日はどうしようかと、迷わなくていい。

椅子の背にかけたものを、羽織るだけ。

朝の判断をひとつ減らせる、という効果もあるんです。

ちなみに、下は短パンのこともあります。

映るのは、上半身だけですから。

そこは、正直に白状しておきます。

誤解しないでください。ラフな服装が悪いわけではありません

ここで、公平な話をしておきます。

ラフな格好そのものが悪い、と言いたいわけではありません。

業種によっては、ジャケットのほうが浮く場面もあります。

デザインやクリエイティブの現場なら、なおさらです。

長く付き合っているクライアントとの定例なら、Tシャツで十分なこともある。

僕自身、そういう相手とはかなりラフに話しています。

大事なのは、相手と場面を見て決めることです。

何も考えずに、そのまま部屋着で画面に入る。

問題なのは、ここだけなんです。

判断した結果のラフと、判断していないラフ。

この2つは、まったく別物です。

そして、相手に伝わるのは、たいてい後者のほうです。

服装の次に効くのが、マイクとカメラです

同じ理屈が、装備にも当てはまります。

パソコンの内蔵マイクを、そのまま使っている人は多い。

内蔵マイクは周囲の音を広く拾い、声の輪郭をぼやけさせます。

聞き返すほどではないけれど、集中しないと聞き取れない。

その小さな負担が、打ち合わせのあいだずっと続きます。

カメラも、同じです。

内蔵カメラは、部屋が暗いと途端に画質が落ちる。

顔色が悪く見えて、表情まで読み取りにくくなります。

外付けのものに変えるだけで、映り方は驚くほど変わる。

ジャケット、マイク、カメラ。

どれも、一度買えばそれで終わりです。

そのあとは、すべての打ち合わせに効き続けます。

月に20回オンラインで人と会うなら、1年で240回。

その全部に、同じ装備が乗っていきます。

払ったお金は消えますが、その1着と機材は残り続ける。

これほど費用対効果のはっきりした支出も、なかなかありません。

逆に、ここをケチって浮くのは数万円です。

その代わり、毎回少しずつ評価を削られていく。

しかも、削られていることに本人は気づけません。

看板のない僕たちにとって、画面が店構えです

最後に、ひとり社長やフリーランスに絞った話をします。

僕たちには、看板がありません。

会社の名前も、きれいな応接室も、受付の人もいない。

だから、画面に映る四角い枠が、そのまま店構えになります。

外観の汚れた店に、人はなかなか入ってきません。

中の料理がどれだけおいしくても、扉を開けてもらえない。

オンラインの画面も、これと同じです。

そして、僕たちの仕事は最後まで信頼で決まります。

次も頼むかどうか。

いくらで頼むかどうか。

全部、そこにぶら下がっています。

その入り口を、自分から狭める必要はありません。

やることは、単純です。

ジャケットを1着、椅子のそばに置いておく。

打ち合わせの5分前に、それを羽織る。

本当に、それだけです。

真夏に汗をかきながら着るのは、面倒だと思います。

それでも僕がやめないのは、理由があります。

積み上げてきたものを、手前の一枚で安く見られたくないからです。

服装は、実力そのものではありません。

でも、実力を正しく届けるための入り口ではある。

明日の1本目の打ち合わせから、ぜひ試してみてください。

では、今日はこの辺で。

ありがとうございました。

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