こんにちは、アサヒナです。
起業して、16年になります。
ひとり社長という働き方のいいところは、数え切れません。
働く時間も、場所も、自分で選べる。
誰と仕事をするかだって、自分で決められます。
正直、デメリットはほとんど感じていません。
これからも、この自由を大事にしていきたい。
ただ、長く続けてきたからこそ、思うことがあります。
自由を手に入れたあとには、別の仕事が待っている。
その自由を、自分で守り続けるという仕事です。
先日の打ち合わせで、改めてそれを感じました。
自由な場所から、誰かを困らせていた
クライアントとの、少人数の打ち合わせ。
参加者のひとりが、カフェから参加していました。
周囲のガヤガヤした音が、会話に入り込んでくる。
その人が何を言っているのか、正直わかりません。
ほかの参加者も、困惑していました。
でも、その場で注意する人はいなかったんです。
本人も、周囲の困惑には気づいていない様子でした。
カフェを選んだ本人には、都合がよかったのでしょう。
ただ、その都合のよさを、周りが支えていた。
聞き手が、聞き取るために余計な努力をする。
それでもわからなければ、話の流れを止めることになる。
打ち合わせに参加する目的は、仕事を進めることです。
ところが、内容を検討する前に負担が生まれていた。
この場面を見て、僕はもったいないと感じました。
働く場所を選べることは、すばらしい自由です。
だからこそ、選んだ場所で会話が成立するかまで考える。
そこまで含めて、僕たちの仕事なんだと思います。
自分には快適でも、相手にも快適とは限らない。
オンラインでは、自分の居場所と相手の体験が分かれます。
同じ席に座っていないから、困りごとも見えにくい。
その違いを、自分から確かめる必要があるんです。
注意してくれる人まで、いなくなる
会社にいれば、働き方を指摘される機会があります。
服装について、先輩から声をかけられる。
会議での振る舞いを、上司に教えてもらうこともある。
言われた瞬間は、面倒に感じるかもしれません。
それでも、自分の状態を知るきっかけにはなります。
ひとり社長やフリーランスには、その機会が少ない。
上司がいない分、自分で決められることが増える。
同時に、誰かが教えてくれる保証もなくなります。
クライアントは、僕たちに仕事を依頼している相手です。
働き方を一から教えるために、契約しているわけではない。
何か気になっても、そのまま話を進めるかもしれません。
指摘して空気が変わるのを、避けたい場合もあるでしょう。
だから、何も言われないまま会議が終わる。
こちらには、改善のきっかけが残りません。
ここに、自由な働き方の難しさがあるんです。
「今まで、注意されたことはないし」
そう思ったときほど、立ち止まった方がいい。
相手が口にしなかった負担は、こちらから見えないからです。
注意を待つだけでは、自分の仕事を点検できません。
おはぎを買う側なら、よくわかる
以前、ある店でおはぎを買ったことがあります。
支払い方法や値段について、店員さんに聞きました。
返ってきたのは、こんな対応です。
「そこの紙に書いてある」
正直、感じが悪いなと思いました。
もう一度、ここで買いたいとは思えなかった。
どれだけおはぎがおいしくても、あの対応は気になる。
買い物をしたときの気分も、僕の中には残るからです。
その店員さんに、何か事情があったのかもしれません。
たまたま、余裕のない日だった可能性もあります。
そこまでは、僕にはわからない。
ただ、僕が受け取ったのは、その場での対応でした。
ここで、自分が買う側だったことを思い出してみる。
買い手が、店側の事情を知る機会は多くありません。
接客の改善について、話し合う義務もない。
また利用するかどうかを、判断できる立場です。
クライアントの立場も、これに近いのかもしれません。
僕たちは、自分の事情ならよく知っています。
今日は忙しい。
移動の途中で、静かな場所を探せなかった。
そんな背景があっても、相手には伝わらない。
相手が接するのは、その場にいる僕たちなんです。
自由の代償を、相手に払わせない
カフェから参加すれば、移動の手間を省ける。
その代わり、全員が聞きづらさを抱えることがある。
自分が省いた準備を、相手の我慢で埋めてしまう。
僕が気をつけたいのは、こういう働き方です。
自由には代償がある。
元をたどれば、自分で選んだことへの責任でしょう。
選ぶ権利と、その結果への配慮は、セットなんです。
服装を自由に選べるなら、商談に合うかを考える。
好きな場所で働くなら、会話できる環境を用意する。
相手も同じ時間を使っていることを、忘れない。
難しい作法を覚えなくても、できることはあります。
もちろん、カメラをオフにする事情もあるでしょう。
回線の調子が、急に悪くなる日だってある。
そういうときは、事情を伝えて進め方を相談すればいい。
カメラが必要かどうかも、会議の目的によって変わります。
大切なのは、相手が困っている状態を放置しないこと。
気づいたら、場所を変える。
難しければ、別の連絡方法を相談できます。
事情を説明し、会話が成り立つ方法を一緒に決める。
その対応にこそ、相手への姿勢が表れると思います。
実力を、余計な負担で届きにくくしない
「でも、仕事ができればいいでしょ」
そう考える気持ちも、わかります。
僕も、成果を出すことは大前提だと思っています。
愛想だけで、クライアントの事業はよくならない。
必要な場面では、耳の痛いことも伝えなければなりません。
そのうえで、仕事を進めるやり取りにも目を向けたい。
せっかく提案を用意しても、声が届かなければ伝わらない。
確認したいことがあっても、聞きづらければ話は止まります。
相手が余計な気を使う分、肝心な話から遠ざかってしまう。
僕たちが磨いてきたスキルを、そこで損なうのは惜しい。
マナーは、実力を活かすための土台にもなるんです。
安心して質問できて、必要なことを話し合える。
その状態を整えることも、成果につながる仕事の一部です。
感じのよさを意識するのも、同じ理由から。
相手に媚びる必要はありません。
ただ、質問されたことに、気持ちよく答える。
相手の話を聞き、困っているところには対応する。
それくらいの配慮は、自分の仕事に含めておきたい。
僕自身、おはぎを買ったときには求めていたことです。
今度は、サービスを提供する側として実践する番でしょう。
自由を守る確認を、ひとつ増やす
僕は、ひとりで働く自由を手放したくありません。
だから、自分で点検する時間を持ちたいんです。
自律という言葉は、少し厳しく聞こえるかもしれません。
一日中、自分を監視するような生活は疲れます。
まずは、打ち合わせ前の確認をひとつ増やす。
それくらいからで、十分だと思います。
静かに話せる場所を、予定と一緒に確保しておく。
画面に映る自分の服装や、身だしなみを確認する。
いつもと違う環境なら、事前に相手へ伝えておく。
気を張り続けるより、準備の手順に入れてしまう。
そうすれば、その場で迷うことも減らせます。
そして、最後に相手の立場から考えてみる。
「もし僕が依頼する側なら、安心して話せるだろうか」
見栄えの点数をつける必要はありません。
相手が仕事を進めやすいかを、確かめるための問いです。
選んでもらえる理由には、成果も、相性もあるでしょう。
すべてを、自分で決められるわけではない。
それでも、自分の準備や対応には手を入れられます。
自由に選べる働き方を、長く続けていくために。
僕たちから、相手が仕事をしやすい状態をつくる。
次の打ち合わせから、一緒に意識していきましょう。
では、今日はこの辺で。
ありがとうございました。
