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クライアントに言いにくいことが言えない原因は性格ではない

クライアントに言いにくいことが言えない原因は性格ではない

こんにちは、アサヒナです。

先日、クライアントからこんな相談を受けました。

「クライアントに言いにくいことが、なかなか言えないんです」

その方は、事業の一環としてコンサルティングをしています。

打ち合わせには、相手の部下も同席する。

その場で、社長や部下から方針の話が出る。

ただ、正直ズレていることが多い。

「修正した方がいい」とはわかっている。

でも、指摘するとポカンとされる。

空気が重くなることもある。

だから、つい同調してしまう。

この相談を聞きながら、僕は自分の過去を思い出していました。

僕にも、飲み込んだ一言があります。

今日は、そんな話をしたいと思います。

目次

あのとき、僕は誰を守っていたのか

正直に書きます。

僕も、昔は言えませんでした。

会議の終盤、社長が出した方針。

頭の中では「それは違う」と思っている。

でも、口から出たのは別の言葉でした。

「いいと思います」

その瞬間の安心感を、はっきり覚えています。

場は荒れなかった。

相手も満足そうだった。

自分は、いい人のままでいられた。

帰り道、僕は自分に説明していました。

「今日は言うタイミングじゃなかった」

「関係性を壊してまで言うことじゃない」

もっともらしい理由でした。

でも、本当は違った。

僕は、相手を守っていたわけではありません。

自分が嫌われない時間を、買っていただけです。

あの日の「いいと思います」は、結局どうなったか。

その方針は、半年後に静かに止まりました。

誰も僕を責めませんでした。

でも、僕は自分で知っていたんです。

止められたのは、あの日の僕だけだったと。

飲み込む本当の理由は、嫌われることではない

なぜ、僕たちは言えなくなるのか。

「嫌われたくないから」

そう説明されることが多いと思います。

でも、もう一段だけ下を見てください。

嫌われた先に、何があるか。

契約の終了です。

つまり、僕たちが本当に怖いのは、嫌われることではありません。

来月の売上が消えることです。

ここを混ぜて考えている限り、この問題は解けません。

性格の話ではないんです。

売上構成の話です。

一社に売上の大半を預けている人は、口が重くなる。

当たり前です。

その一社が消えたら、生活が止まるからです。

口をふさいでいるのは、クライアントではありません。

自分の売上の偏りです。

もうひとつ、厄介な要素があります。

相談をくれた方の打ち合わせには、相手の部下も同席していました。

この配置が、さらに口を重くします。

社長の方針を正せば、部下の前で社長の顔を潰すことになる。

部下の案を正せば、社長の前で部下を否定する形になる。

どちらに口を開いても、誰かの立場が削られる。

だから、いちばん無害な言葉を選んでしまう。

「そうですよね」

これが、あの一言の正体です。

「言い方を考えているんです」という言い訳

ここで、逃げ道を先に潰させてください。

言えない理由は、いくらでも作れます。

「まだ信頼関係ができていないので」

「もう少し数字が出てから言おう」

「言い方を考えているところです」

僕も、全部使ったことがあります。

そして、ひとつも本当ではありませんでした。

信頼関係は、正しいことを言うことで作られます。

数字は、正しいことを言わないと出ません。

言い方は、考えているうちに機会が消えます。

厳しい言い方をします。

「タイミングを見ている」

これは、ほとんどの場合、見ていません。

見ないようにしているだけです。

成果が止まった瞬間、関係性は役に立たない

もうひとつ、はっきりさせておきたいことがあります。

僕たちは、あくまでビジネスパートナーです。

友人ではありません。

成果が出ている間、関係性は驚くほど良好です。

打ち合わせは和やか。

提案も、すっと通る。

「いつもありがとうございます」

そう言ってもらえる。

でも、成果が止まると景色が変わります。

連絡の頻度が落ちる。

返信が遅くなる。

打ち合わせに社長が出てこない。

そして、ある日、契約終了の連絡が届きます。

つまり、あの和やかな空気は原因ではなかった。

成果が出ていたことの結果だったんです。

守る順番を間違えると、両方を失います。

特に中小企業では、この傾向が強く出ます。

規模が小さいほど、一件の支出を見る目は厳しくなる。

社長の財布と、会社の財布が近いからです。

言わない。

だから成果が出ない。

成果が出ないから、切られる。

飲み込み続けた人は、この一本道を歩きます。

半年後、悪者になるのはあなたです

では、飲み込んだ先に何が待っているか。

ここが、いちばん大事なところです。

想像してみてください。

ズレていると感じた方針に、あなたは同調した。

その方向で、半年動いた。

結果、成果は出なかった。

そのとき、相手はどう考えるか。

「自分たちの判断が間違っていた」

こう認める人は、ほぼいません。

人は、自分の判断を疑う前に、外側を疑います。

そして、いちばん外側にいるのは、外部の支援者です。

あなたです。

「あのコンサルが悪かった」

「提案がイマイチだった」

そう処理されて、何事もなかったことになります。

これが現実です。

黙ったことで守ったはずの関係は、結局なくなる。

しかも、成果が出なかった責任だけが残ります。

あの日の沈黙は、無料ではなかったんです。

支払いが半年後だっただけです。

言える人は、言える状態を作っている

では、どうすればいいのか。

ここで「勇気を出しましょう」とは言いません。

役に立たないからです。

僕がクライアントに伝えたのは、順番の話でした。

言えるようになりたいなら、言える状態を先に作る。

具体的には、切られても死なない状態です。

クライアントを一社増やす。

自社で完結する商品を、小さくてもひとつ持つ。

月に数万円でもいい。

金額よりも、依存を割ることが目的です。

「明日この契約が終わっても、来月は生きていける」

そう思えた瞬間から、言葉が出るようになります。

僕自身、そうでした。

収入の柱が増えた時期から、打ち合わせでの発言が変わりました。

急に度胸がついたわけではない。

背中が壁から離れただけです。

クライアントワークだけでは、本当の安定は手に入りません。

相手の体調や社内事情ひとつで、すべてが終わる世界だからです。

だからこそ、分散させておく。

それは逃げの準備ではなく、正面から物を言うための準備です。

空気が重くなった日の方が、関係は長く続く

言い続けた結果、僕がどうなったか。

いいことばかりではありませんでした。

言い争いになったことも、何度もあります。

機嫌が悪くなったのが、画面越しにわかる日もある。

沈黙だけが残る打ち合わせも経験しました。

それでも、契約は数年単位で続いています。

以前、長く続いているクライアントに聞いてみました。

「なぜ、こんなに長く契約を続けてくれているんですか?」

答えは、こうでした。

「思ったことを、ちゃんと言ってくれるから」

「顔色を気にせず、必要なことを言ってくれるから」

数字の話ではありませんでした。

ここが、いちばん意外だった。

都合のいいことを言う相手は、探せばいくらでもいます。

代わりがいないのは、耳の痛いことを言う人の方なんです。

空気が重くなった打ち合わせは、失敗ではありません。

あとから効いてくる貯金です。

一緒に、言える側へ

誤解しないでください。

何でも否定しろ、という話ではありません。

部下の方が同席している前で、正面から否定しなくてもいい。

「この点だけ、あとで社長と詰めさせてください」

そう置いてから、別の場で伝える。

場所と順番は、選んでいいんです。

ただ、伝えないという選択だけは残さない。

そこだけを守ってください。

もちろん、いつも正解を言えるわけではありません。

僕の指摘が的を外していたことも、何度もあります。

そのときは、素直に引っ込めればいい。

外すことより、黙ることの方が害が大きいんです。

僕も、いまだに飲み込みそうになります。

言う前に胸のあたりが重くなる感覚は、何年やっても消えません。

それでも、あの日の沈黙の後味の方が、ずっと悪い。

だから言います。

次の打ち合わせで、飲み込みそうになった一言を、そのまま出してみてください。

一緒に、言える側に立ち続けましょう。

僕も、逃げずにやっていきます。

では、今日はこの辺で。

ありがとうございました。

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