こんにちは、アサヒナです。
年末年始の休みの終わりに、めずらしくテレビを見ていました。
テレビ東京の「三ツ星MAP」という覆面調査バラエティです。
出ていたのは、香取慎吾さん、見取り図の盛山晋太郎さん、松村沙友理さん。
番組の中で、松村さんが香取さんにこう聞きました。
「芸能生活を長く続けるコツは?」
三十年以上、第一線にいる人への、まっすぐな質問です。
返ってきた答えは、たった一行でした。
「一笑懸命 テキトーに」
翌日から、仕事始めでした。
気合いを入れ直そうとしていた僕には、完全な不意打ちです。
この話を聞いて、僕は改めてあることを確信しました。
結論から言います。真面目さは、自分で出力を下げるしかない
結論から言います。
僕たちひとり社長やフリーランスに、いま必要なもの。
それは、真面目さを足すことではありません。
真面目さの出力を、自分で下げる技術です。
一笑懸命。
一生懸命の「生」を、「笑」に変えた造語だそうです。
笑いながら、一生懸命に。
でも、テキトーに。
香取さんは、こうも言っていました。
「一生懸命やるのは大事」
「でも、一生懸命すぎると息が詰まってしまう」
ここに、長く続く人の技術が全部入っていると思います。
やる気の問題ではない。
出力の調整の問題なんです。
なぜ、出力を下げる必要があるのか
理由は、シンプルです。
ビジネスで一番価値があるのは、継続的に稼ぎ続けることだからです。
一時的に月100万円を作る。
翌月、ゼロになる。
これでは何も積み上がりません。
月30万円を止めずに続ける方が、事業としては圧倒的に強い。
単月の数字には、運が混ざります。
十年分の数字に、運は混ざりません。
月100万円を一度作った話は、よく流れてきます。
それを五年続けている人の話は、あまり流れてきません。
流れてこない方が、はるかに難しいんです。
一年のうち十一ヶ月を全力で走って、最後の一ヶ月で倒れる。
これは、走り切ったことにはなりません。
そして、継続には絶対の前提条件があります。
自分が壊れていないことです。
僕たちには、後ろ盾がありません。
会社員なら、体調を崩しても傷病手当金がある。
心を崩しても、休職という制度がある。
僕たちには、そのどちらもない。
健康を損なえば、その日から収入が止まります。
だから、真面目さの出力を下げるのは、甘えではないんです。
事業を守るための、まっとうな経営判断です。
真面目な人が、いちばん先に消える
僕は長く、この業界にいます。
その中で「この人は凄いな」と思う相手に、何人も会いました。
頭が切れて、動きが速くて、勉強量も多い。
数字も出している。
ところが、数年後に名前を見なくなる。
事業が傾いたからではありません。
先に、本人が壊れるんです。
ひとり、顔が浮かぶ人がいます。
同じ業界で、僕よりずっと結果を出していた人でした。
会うたびに「まだ足りない」と言っていました。
その一言が、今になって重く聞こえます。
ある時期から、発信がぱたりと止まりました。
体ではなく、心が先に止まったと聞きました。
共通していたのは、優秀さと真面目さでした。
優秀だから、もっと上を目指せた。
真面目だから、途中でやめられなかった。
その二つが噛み合った時、人は自分の首を絞めます。
僕自身も、独立して最初の数年は同じ走り方をしていました。
働けば働いた分だけ成果が返ってくるのが、とにかく楽しかった。
その楽しさが、いちばん危なかったと今は思います。
もうひとつ、別の例も書いておきたい。
社員数人で、粗利が年間3億円ほどのクライアントがいます。
経営者として、素直に尊敬しています。
ただ、本人はまったく幸せそうに見えません。
朝から晩まで仕事に追われて、いつも難しい顔をしている。
余裕がないことが、画面越しでもわかる。
数字を作れば楽になる、という話ではないんです。
僕が実際にやっている「テキトー」の作り方
では、具体的にどうするか。
僕がやっていることを、正直に書きます。
100点を出す場所を、先に決めておく
真面目な人は、全部を100点でやろうとします。
そこが、息苦しさの原因です。
僕は、クライアントの売上に直接効く仕事だけを100点にしています。
構成、原稿、数字の設計。
ここは削りません。
一方で、それ以外は70点で出します。
社内用の資料。
体裁の整え方。
議事録の見た目。
全部を100点にできる人は、どこにもいません。
決めていないから、全部に力が入るんです。
締め切りを置かない日を、週に一日作る
緩めようという気持ちは、ほとんど役に立ちません。
真面目な人は、気持ちで手を抜けない人です。
だから、先に予定で押さえるしかない。
僕は週の中に一日だけ、締め切りを置かない日を作っています。
やることは決めますが、終わらなくても構わない日です。
はじめは、罪悪感がありました。
でも、半年続けてわかりました。
この一日があるかないかで、月末の判断の質が変わる。
疲れ切った頭で決めたことは、だいたい間違っています。
笑えているかを、体調の指標にする
もうひとつ、香取さんの言葉から借りた習慣があります。
「笑」を、自分の計器に使うことです。
売上や作業時間は、崩れてから数字に出ます。
でも、笑いは先に消えます。
家族の話に笑えない。
くだらない番組を見ても、口角が動かない。
そうなったら、黄色信号だと決めています。
その日は早めに閉じる。
予定を一本落とす。
翌朝の作業をやめて、外を歩く。
小さな判断ですが、これがよく効きます。
比べる相手を、去年の自分に固定する
他人の数字は、どうしても目に入ります。
同業の月商。
フォロワーの数。
新商品の売れ方。
「負けたくない」と思う気持ちは、僕にもあります。
でも、他人の数字には、その人の事情が全部乗っています。
使える資金。
家族の状況。
体力。
借入の額。
単位の違う表を、並べて比べているだけなんです。
だから僕は、比較対象を去年の自分に固定しました。
去年より、断れる仕事が増えたか。
去年より、慌てる回数が減ったか。
去年より、よく笑えているか。
見るのは、そこだけです。
「緩めたら売上が落ちる」と思った人へ
誤解しないでください。
手を抜けと言っているわけではありません。
テキトーとは、いい加減にやることではない。
どこを削るかを、自分で決めることです。
決めずに全部やろうとするから、息が詰まる。
それに、こういう声も聞こえてきそうです。
「今は踏ん張りどきだから」
僕も、何度も言いました。
ただ、踏ん張りどきは毎年来ます。
去年もそう言って、今年もそう言う。
十年ずっと踏ん張りどきだった人がどうなったかは、さっき書いた通りです。
誰かに勝つ必要は、最初からない
最後に、いちばん言いたいことを書きます。
僕たちの事業は、誰かに勝つための道具ではありません。
自分と、自分の大切な人を幸せにするための道具です。
順位を上げることが目的になった瞬間、終わりのない競争が始まります。
上を見れば、きりがない。
あなたがこの働き方を選んだ理由を、思い出してみてください。
たぶん、自分の時間を取り戻したかったからだと思います。
家族と過ごす時間を増やしたかったからだと思います。
その原点に戻れば、他人の数字は驚くほど軽くなります。
だから、線は自分で引く。
目標の数字を出せているなら、他人に負けていても構わない。
そう決めてしまえば、働き方はずいぶん静かになります。
「一笑懸命 テキトーに」
三十年以上、第一線にいる人が出した答えが、これでした。
真面目に働くことは、続けてください。
そのうえで、削る場所を今日ひとつ決めてみてください。
それだけで、一年の走り方が変わります。
では、今日はこの辺で。
ありがとうございました。
