こんにちは、アサヒナです。
23歳の頃の自分を、ふと思い出しました。
先日、ある20代の起業家と話す機会があったんです。
野心に満ちた目。
前のめりな姿勢。
なんだか、昔の自分を見ているようでした。
あの頃の僕は、とにかく必死でした。
バカにされたくない。
若造だと思われたくない。
その一心で、自分を大きく見せることばかり考えていた。
今日は、そんな話をしたいと思います。
背伸びに必死だった23歳の僕
23歳で起業した当時のことを、正直にお話しします。
僕はとにかく、虚勢を張っていました。
知らないことを「知っている」と言い、分からないことを「分かります」と返す。
先輩経営者との会話では、必死に専門用語を並べていました。
「なめられたら終わりだ」
本気でそう信じていたんです。
でも、今思えば完全に逆効果でした。
百戦錬磨の経営者から見れば、僕の背伸びなんて一目瞭然だったはずです。
「ああ、頑張って大きく見せようとしてるな」
きっと、そう思われていただけです。
薄っぺらい鎧を必死で着ている若者。
周りの大人たちは、それをちゃんと見抜いていました。
僕だけが気づいていなかったんです。
なぜ「教えてください」が言えないのか
先日会った20代の起業家も、かつての僕とそっくりでした。
専門用語を並べ、自分の実績を少しでも大きく見せようとする。
その気持ちは、痛いほどわかります。
僕も同じ道を通ってきたからです。
若い起業家が背伸びする理由は、シンプルです。
怖いんです。
「こんなことも知らないのか」と思われるのが。
「やっぱり若いな」と軽く見られるのが。
だから、知ったかぶりをする。
だから、分かったふりをする。
でも、その恐怖が奪っているものの大きさに、当時の僕は気づいていませんでした。
恐怖から身を守ろうとして、実は最大のチャンスを自分から手放していた。
そういうことだったんです。
若さは「武器」ではなく「通行証」
ここで、ひとつ大事なことをお伝えします。
20代の起業家にとって、若さは武器ではありません。
通行証です。
30代、40代、50代の経営者は、20代の若者をどう見ているか。
敵ではありません。
ライバルでもありません。
まるで弟や妹のように、目をかけたい存在なんです。
「教えてください」と目を輝かせて飛び込んでくる若者。
そんな人を見たら、多くの先輩経営者は力を貸したくなります。
自分の若い頃を思い出して、応援したくなるんです。
つまり、20代というだけで、先輩たちの懐に飛び込める特別な切符を持っている。
それが通行証の正体です。
ところが、背伸びをした瞬間にその通行証は無効になります。
「俺はもう一人前だ」という態度は、先輩たちの善意を遠ざけてしまう。
助けたいと思ってくれている人の手を、自分から振り払っているようなものです。
「もう若くないから関係ない」は本当か
ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。
「自分はもう30代だし、関係ない話だ」
「20代の頃に戻れるわけでもないし」
その気持ちはわかります。
でも、この話は20代だけに向けたものではありません。
僕たち30代以上にも、全く同じ構造の問題があります。
「もう経験があるから、人に教わる必要はない」
「今さら頭を下げるのは恥ずかしい」
そんなふうに思っていませんか。
年齢を重ねるほど、プライドは厚くなります。
でも、経営の世界に安定や安泰なんてものは存在しません。
どんなに成功している経営者でも、何年も赤字が続く時期がある。
そのとき支えになるのは、スキルや知識ではなく、人とのつながりです。
年齢に関係なく、素直に「教えてください」と言えるかどうか。
これは、ビジネスを続ける限り、ずっとついて回る問いなんです。
30代で消える「無料の学び」
ひとつ、厳しい現実をお伝えします。
20代のうちは、先輩経営者から無料であらゆることを学べます。
食事に連れて行ってもらえることもある。
相談に乗ってもらえることもある。
素直に「教えてください」と言えた若者に対して、先輩たちは驚くほど惜しみなく与えてくれます。
業界の裏話を教えてくれる。
自分が過去に犯した失敗の、生々しい詳細を語ってくれる。
「今度、面白い人がいるから紹介するよ」と、自分の人脈まで開いてくれることもある。
これらは、お金では簡単に買えないものです。
コンサルタントに相談すれば、1時間で数万円はかかる話。
それを、食事の席で惜しげもなく共有してくれる。
それだけではありません。
お金を積んでも手に入らない情報だってあります。
「あの会社とは取引しない方がいい」
「この人は本当に信用できる」
こうした生きた情報は、信頼関係の中でしか流通しません。
そして、この信頼関係を最も低コストで築けるのが、20代の特権なんです。
これが30代になると、状況は一変します。
もう「若い」というだけでは、誰も特別扱いしてくれません。
当然です。
同じ土俵で戦う、一人のビジネスパーソンだからです。
先輩に教えを乞うにも、相応の対価が求められるようになる。
無料で何でも学べるゴールデンタイムは、20代だけの特権です。
その貴重な時間を、ちっぽけなプライドのために浪費してはいけない。
時間は、待ってくれません。
素直さは、最も再現性の高い戦略
誤解しないでください。
「媚びろ」と言いたいわけではありません。
素直さとは、自分の弱さを認められる強さのことです。
「分かりません、教えてください」
この一言が言えるだけで、人は味方になってくれます。
仕事を紹介してくれることもある。
失敗したとき、手を差し伸べてくれることもある。
スキルや知識は、時間をかければ誰でも身につきます。
人にできることなら、大抵のことは自分にもできるようになる。
これは僕自身の経験からも、確信していることです。
実は、素直さが最も試されるのは、クライアントとの関係かもしれません。
コンサルタントとして仕事をしていると、「知らない」と言いづらい場面があります。
「プロなのに、そんなことも知らないのか」
そう思われるのが怖いからです。
でも、僕はある時期から、クライアントにも正直に伝えるようにしました。
「その分野は詳しくないので、調べてから回答させてください」
最初は不安でした。
信頼を失うかもしれない、と。
ところが、結果は真逆だったんです。
「正直に言ってくれるから、信用できる」
そう言ってもらえることが増えました。
知ったかぶりをするコンサルタントより、正直なコンサルタントの方が信頼される。
考えてみれば、当然のことです。
嘘をつかない人にこそ、大事な相談を持ちかけたくなる。
素直さは、信頼の土台です。
これはクライアントとの関係に限らず、すべての人間関係に当てはまります。
ただし、信頼は一朝一夕では築けません。
だからこそ、素直さという戦略には圧倒的な再現性があるんです。
どんな業種でも、どんな年齢でも、効果がある。
僕たちにできること
もしあなたが20代なら。
今すぐ、分からないことを「分かりません」と言ってみてください。
等身大のあなたでいること。
それが、周りから愛され、応援される一番の近道です。
そして、僕たち30代以上はどうか。
僕たちの「常識」は、時にビジネスの足かせになります。
だからこそ、若者の「当たり前」に耳を傾けてみてください。
彼らが使うSNS、彼らの価値観。
その中に、未来の市場を読み解く鍵があります。
若者を「未来の顧客」と捉え、貪欲に学ぶ姿勢。
それこそが、僕たちのビジネスを陳腐化させない方法です。
一緒に、素直な学び手であり続けましょう。
僕も、まだまだ学ぶことだらけです。
では、今日はこの辺で。
ありがとうございました。
