こんにちは、アサヒナです。
僕はこれまで、安売りで疲れてしまった人を何人も見てきました。
最初は、みんな前向きなんです。
「まずは実績を作りたい」
「安くすれば、申し込みが増えるはず」
「お客さんに喜んでもらえるなら」
その気持ちは、よくわかります。
でも、そこから少しずつ苦しくなっていく人がいます。
今日は、かなり大事な話をします。
安くすれば安心できる、という錯覚
価格を下げると、一瞬だけ安心できます。
申し込みが増えるかもしれない。
断られにくくなるかもしれない。
高いと言われずに済むかもしれない。
そう思えるからです。
でも、その安心はかなり短い。
実際に仕事が始まると、別の不安が出てきます。
この金額で、どこまで対応すべきなのか。
この要望は、断っていいのか。
ここまでやって、利益は残るのか。
価格を下げることで、売る前の不安は減ります。
でも、売った後の不安が増えることがあるんです。
ひとりで働く人にとって、本当に怖いのはそこです。
契約が取れたあとに、自分が消耗していく状態。
これを軽く見てはいけません。
安くした瞬間、仕事の空気が変わる
価格を下げると、たしかに申し込みは増えやすくなります。
相談も増える。
問い合わせも増える。
動き出している感じがする。
でも、その裏側で別のことも起きています。
相手の本気度が薄くなる。
こちらの専門性が軽く見られる。
やり取りが雑になる。
これは本当にあります。
「安いから試してみよう」
入口としては悪くありません。
でも、その軽さのまま継続案件に入ると危ない。
軽い気持ちで入ってきた人ほど、軽い扱いをしてくるからです。
いい人ほど、低価格で自分を削る
特に危ないのは、責任感が強い人です。
真面目な人。
優しい人。
期待に応えようとする人。
そういう人ほど、低価格でも手を抜けません。
むしろ、頑張ってしまう。
安いのに丁寧に返す。
範囲外なのに対応する。
少し無理をしてでも、相手を満足させようとする。
その姿勢自体は素晴らしいです。
でも、続けると壊れます。
なぜなら、報酬と責任のバランスが崩れるからです。
売上は小さい。
対応は重い。
感謝は薄い。
これでは、心が先に削られていきます。
低価格で怖いのは、手を抜けない人ほど苦しくなることです。
いい加減な人なら、価格相応に済ませるかもしれません。
でも、真面目な人はそうできない。
安く受けても、品質は落とせない。
返信も丁寧にする。
資料もきちんと作る。
相手が困っていれば、つい追加で見てしまう。
その結果、報酬は低いのに、責任だけが重くなります。
しかも、最初は自分でも気づきにくい。
「今回だけだから」
「簡単な対応だから」
「ここまでやった方が喜ばれるから」
そうやって、自分を納得させてしまうんです。
でも、その一回が次の基準になることがあります。
相手からすれば、前回やってくれたこと。
だから、次も当然のように求めてくる。
こちらが善意でやったことが、いつの間にか標準対応になってしまう。
ここが、本当に危ないんです。
低価格そのものよりも、低価格のまま責任感だけで支え続けること。
これが、真面目な人を削っていきます。
最初の違和感を見逃してはいけません
厄介なのは、最初から大きなトラブルになるわけではないことです。
最初は、本当に小さな違和感です。
返信が雑。
約束の時間を守らない。
説明を読まずに質問してくる。
少し強めに値切ってくる。
「まあ、このくらいなら」
そう思って流してしまう。
でも、その小さな違和感は、だいたい当たります。
最初にこちらを軽く扱う人は、途中から急に丁寧にはなりません。
最初に境界線を越えてくる人は、後からもっと越えてきます。
だから、入口が大事なんです。
値下げ要求は、関係性の予告です
特に見ておいた方がいいのは、最初の値下げ要求です。
もちろん、交渉そのものが悪いわけではありません。
予算の都合もあります。
事情がある場合もある。
でも、言い方に出ます。
「もう少し調整できますか」
こういう相談なら、まだわかります。
一方で、最初からこちらの価値を軽く扱う人もいます。
「高すぎます」
「他はもっと安いです」
「この値段なら、これくらいやってくれますよね」
この時点で、関係性の予告が出ています。
最初に強く値切ってくる人は、契約後も範囲外の対応を求めてくることが多い。
最初に説明を読まない人は、契約後も説明を読まずに質問してきます。
最初に約束を軽く扱う人は、納期や確認も軽く扱いやすい。
これは、偏見ではありません。
現場で何度も見てきたことです。
見るべきなのは、値下げ要求そのものではありません。
その言い方です。
相談なのか。
値踏みなのか。
軽視なのか。
同じ値下げの話でも、そこには大きな差があります。
たとえば、相手にも事情がある場合はあります。
予算が限られている。
今はまだ小さく始めたい。
まず一部だけお願いしたい。
そういう相談なら、こちらも一緒に考えられます。
提供範囲を調整する。
納品物を減らす。
期間を短くする。
価格を下げるのではなく、条件を変える選択もできます。
でも、最初から当然のように値切ってくる人は違います。
「高いので安くしてください」
「他社ならもっと安いです」
「このくらいなら、すぐできますよね」
こういう言葉には、仕事への見方が出ています。
こちらの経験や判断や責任を、あまり見ていない。
作業時間だけを見ている。
だから、価格交渉の場面では、金額よりも相手の姿勢を見る必要があります。
価格を下げるかどうかではありません。
この人と仕事をして、こちらの価値が守られるかどうか。
そこを見た方がいいんです。
だから、最初の違和感を見逃してはいけません。
違和感がある相手ほど、あとから大きなストレスになります。
売り切り商品でも、雑に扱われることがある
低価格の商品ほど、雑に扱われることがあります。
オンライン講座や教材のような売り切り商品なら、まだ楽に見えるかもしれません。
一度売れば終わり。
個別対応もない。
継続案件よりは消耗しにくい。
そう考えたくなる気持ちはわかります。
でも、実際はそう単純ではありません。
買った本人が真剣に見ない。
内容を読まずに質問してくる。
説明ページに書いてあることを、何度も聞いてくる。
返金保証がないのに、返金を求めてくる。
中には、買っていない人へ共有しようとする人もいます。
もちろん、全員がそうではありません。
低価格でも、きちんと学ぶ人はいます。
丁寧に受け取って、実践してくれる人もいる。
そこは誤解しないでください。
ただ、価格が低いほど、軽い気持ちの人も入りやすくなります。
軽い気持ちで入ってきた人ほど、商品も軽く扱いやすい。
これは、かなり現実的な問題です。
売り切りだから大丈夫。
サポートがないから大丈夫。
そう思っていても、問い合わせは届きます。
不満も届きます。
範囲外の要求も届くことがあります。
そのたびに、こちらの集中力が削られる。
だから、売り切り商品でも入口は大事です。
誰に届ける商品なのか。
どこまでが提供範囲なのか。
何は対応しないのか。
ここを曖昧にしたまま低価格で広げすぎると、あとから自分が苦しくなります。
継続案件は、関係性が積み重なる
広告運用やWeb保守のような継続案件では、相手との関係が毎月積み重なります。
良い関係なら、仕事はどんどん楽しくなる。
相手のことも深く理解できる。
成果にもつながりやすい。
でも、悪い関係なら逆です。
毎月、連絡が来るたびに重くなる。
通知を見るだけで気分が沈む。
本来なら提案したいことも、言いにくくなる。
これが一番怖い。
コンサルタントやマーケターは、時に耳の痛いことを言う仕事です。
でも、相手との関係が悪いと、正しいことが言えなくなります。
「また面倒な反応をされるかもしれない」
そう思った瞬間、提案の質が落ちていく。
これは、相手にとっても不幸です。
いいお客さんに力を残す
価格を上げる理由は、売上を増やすためだけではありません。
いいお客さんに、ちゃんと力を残すためです。
本気で成果を出したい人。
こちらの提案を真剣に受け止めてくれる人。
そういう人に向き合う時間は、本当に価値があります。
合わない相手に振り回されていると、その力が残りません。
本当に大切にしたい人への対応が薄くなる。
それが一番もったいないんです。
価格を上げるのは、守るためです
価格を上げることに罪悪感を持つ人がいます。
「高くしたら申し訳ない」
「お客さんが減るかもしれない」
「自分にはまだ早い」
気持ちはわかります。
でも、価格を上げるのは、誰かを切り捨てるためではありません。
守るためです。
自分の体力を守る。
自分のメンタルを守る。
本当に価値を届けたい相手に、力を残す。
そのための判断です。
僕たちひとり社長やフリーランスは、すべてを一人で背負います。
だから、疲弊してしまったら終わりです。
仕事を続けるためにも、価格で自分を守らないといけません。
価格は、冷たいものではありません。
むしろ、誠実に仕事を続けるための仕組みです。
自分を守る。
相手を選ぶ。
本当に力を注ぐべき人に集中する。
そのために、価格を見直す。
これは、ビジネスのステージを上げる最初の一歩です。
では、今日はこの辺で。
ありがとうございました。
